【ブログ】「それ、やる意味あるの?」広報担当へのひと言、ちょっと待った。
「地域の人が喜ぶイベントを企画してはどうでしょうか」
「社員の仕事風景を、SNSで紹介したいんです」
「こんなテーマでブログを書いてみようと思います」
広報担当者が出したアイデアに、上司がひと言。
「それ、やる意味あるの?」
嗚呼、こわい。
私も昔、こういう言葉を上司から何度か言われたことがありました。

中小企業の広報支援をしていると、こうした場面に出会います。
上司としては、時間や費用をかける以上、成果につながるのか確認したい。その気持ちは当然です。
ただ、その確認の仕方によって、担当者が次の提案をためらうようになることがあります。
【上司は質問したつもり。でも担当者には否定として届いている】
「それ、やる意味あるの?」という問いには、何を説明すればよいのかが示されていません。
売上につながるのか。誰に届けたいのか。会社の方針に合っているのか。手間がかかりすぎるのか。
上司の疑問が分からなければ、担当者は答えようがありません。
それでも、立場が上の人からそう言われると、「この案はダメなんだ」と受け止めてしまいます。
こうしたやり取りが重なると、担当者の意識は、お客様に何を届けるかより、上司に何なら通してもらえるかに向かいがちです。そう、上司に納得してもらえる提案をすることが最優先になってしまい、本来届けたい人の気持ちからズレていく、これあるあるです。
上司の指示を聞いて、無難な投稿が増える。新しい提案は減る。
広報担当が考えた提案が止められる一方で、上司からは自主性を求められる。
この状態では、広報担当者も動きづらく精神的に疲弊してしまいます。
【商品を宣伝することだけが、広報ではありません】
発信について話していると、経営者や幹部の方から、こんな疑問が出ることがあります。
「商品と関係のない話を載せて、どうするの?」
「社員の紹介をして、売れるの?」
ここで考えたいのは、会社が伝えたい情報と、お客様が知りたい情報は、必ずしも同じではないということです。
例えば住宅会社なら、会社は性能や施工技術を伝えたい。一方、家づくりを考えている人は、こんなことも気にしています。
「初歩的な質問をしても、ちゃんと聞いてくれるだろうか」「予算の不安を、正直に相談できるだろうか」「建てた後も、困ったときに頼れるだろうか」
社員がどんな思いで仕事をしているのか。お客様の悩みにどう向き合っているのか。
そうした発信は、商品説明だけでは伝わらない、相談先を選ぶための情報になります。
採用も同じです。募集要項だけでは、一緒に働く人の雰囲気や、仕事への向き合い方までは分かりません。
その情報が、誰のどんな疑問や不安に応えるのか。そこまで考えて、企画する必要があります。
【ただし、広報担当者にも説明する責任があります】
上司が理解してくれない。そう嘆くだけでは、状況は変わりません。
「他社もやっているので」「楽しそうだから」「今、流行っているから」
これだけでは、会社として取り組む理由は伝わりません。
例えば、社員インタビューを提案するなら、次のように説明できます。
「応募を検討している方が、入社後の働き方を具体的に想像できるよう、若手社員の一日を紹介したいと考えています。記事から採用ページへ案内し、記事の閲覧状況と採用ページへの移動を確認します」
誰に、何を伝え、どんな行動につなげたいのか。何を見て振り返るのか。
担当者がここを説明できると、上司も判断しやすくなります。
ただし、閲覧数が増えたから採用が増える、といった単純な話ではありません。途中の反応と、最終的な応募や問い合わせを分けて確認することも大切です。
【「やる意味」を問うなら、判断基準も共有する】
経営者や幹部の方にお願いしたいのは、提案を何でも採用することではありません。
採用する理由、見送る理由を、担当者が理解できる形で伝えることです。
「それ、やる意味あるの?」と聞きたくなったら、問いを少し具体的にしてみてください。
「誰に、何を知ってもらうための企画?」「今、会社が解決したい課題と、どうつながっている?」「まず小さく試すなら、どこまでできそう?」
これなら、担当者は企画を見直す手がかりを得られます。
その前提として、経営側も、広報に何を期待しているかを伝える必要があります。
認知を広げたいのか。問い合わせを増やしたいのか。採用を強化したいのか。
目的が曖昧なままでは、担当者は提案するたびに、上司の頭の中にある正解を探すことになります。
【中小企業の広報は、担当者一人に任せきりにしない】
広報担当者が一人、しかも他の業務との兼任。中小企業では、そうした体制も珍しくありません。
社内に相談相手がいなければ、会社の方向性と合っているのか、これで発信してよいのか、一つひとつ迷うことになります。
そこで必要なのは、「もっと発信して」と求めることより、迷ったときに立ち返れる方針をつくることです。
誰に、何を伝えるのか。何を優先し、どこまで担当者が判断してよいのか。いつ、何を確認して改善するのか。
ここを経営側と担当者でそろえることが、広報を続ける土台になります。
広報担当者が、イキイキと発信できる環境をつくることも、大切な経営者の務め。社員が発信を楽しめるようになれればしめたものです。ぜひ頭に留めておいてください。
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カタリテでは、中小企業の発信方針の整理から、企画・文章の改善、広報担当者の育成と実務の伴走まで支援しています。
「担当者はいるけれど、発信が進まない」「提案を受けても、どう判断すればよいか分からない」
そんなときは、担当者の意欲だけでなく、社内の進め方にも目を向けてみてください。
「それ、やる意味あるの?」で止めずに、「誰に、どんな意味があるのか」を一緒に考える。その対話から、会社の広報は動き始めます。
広報の方針づくりや担当者支援については、株式会社カタリテへご相談ください。
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